カテゴリー: # 自然 # 但馬全域 

 優れた景勝地として環境大臣が指定する国立・国定公園の区内には、景観を維持・保護するために指定された「海域公園」が、全国で82地区160カ所ある。2010年(平成22)4月に始まった制度で、海中の景観を守るための「海中公園地区」の制度を改定し、海中と海上が一体的に豊かで美しい海域環境を構成する干潟や岩礁域などを守ることができるように改正された。
 京都府・丹後半島の網野あみの海岸から兵庫県の但馬海岸全域、そして、鳥取県の鳥取砂丘と3府県にまたがる海岸線は、1963年(昭和38)、山陰海岸国立公園に指定され、総延長は約75kmにも及ぶ。この山陰海岸国立公園の中には、5地区の海域公園があり、但馬には豊岡・竹野・浜坂の3地区4カ所がある。
 但馬海岸は透明度20mを誇る澄んだ海で、暖流と寒流がぶつかり合い、様々な生き物の産卵地域になっている。また、地質の博物館と言われるほど、海岸を構成する岩石には、デイサイトや集塊岩しゅうかいがん頁岩けつがんなどがあり、多彩。特に火山岩を含んでいる点に特徴があり、柱状や板状の節理が発達して、よろいそでや鷹の巣島のような絶景をみせたり、波の侵食によってできた釣鐘つりがね洞門や十字洞門のように奥行き100mを超える洞門やはさかり岩など、数々の風景をつくり出している。