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 朝倉山椒は、400年以上の由緒をもつ但馬を代表する特産品。出石皿そばと共に文化庁の100年フードに認定されている。全国で栽培されている朝倉山椒の多くは、養父市八鹿町朝倉を発祥地とし、八鹿町今滝寺こんりゅうじを原産地とするといわれる。枝にトゲがなくて実が多く、香りがよいのが特徴。
 1611年(慶長16)9月26日、但馬生野奉行の間宮新左衛門が駿府すんぷ城の徳川家康公に朝倉山椒を献上。また、出石出身の沢庵たくあん和尚が徳島藩主蜂須賀はちすか公に朝倉山椒を贈呈した。当時の朝倉山椒は大名の献上品であり、出石藩や篠山ささやま藩から毎年、江戸幕府に献上されていた。
 江戸時代に朝倉集落で多くの山椒が栽培されたことから朝倉山椒の名前が定着した。植物学者の牧野富太郎博士が新品種と認定し、アサクラザンショウの学名で登録している。  1977年(昭和52)、地元朝倉集落の農家が朝倉山椒組合を設立。根張りが浅く枯れやすい朝倉山椒の弱点を克服し、枯れにくく、果実の香りや大きさに優れた、実付きのよい苗が開発された。養父市の特産品として育てる取り組みにより栽培農家が増加。現在は但馬地域全体でブランド化や生産増大に取り組んでいる。
 朝倉山椒は佃煮、炊き込みご飯、ちりめん山椒など、多くの料理に使われ、現在ではイタリア・ミラノへの輸出にはじまり、フランス、UAE、シンガポールなどにも輸出されている。また、民間の事業者や団体により「朝倉山椒のタプナード」、「山椒味噌」、「山椒ジェノベーゼ」、「ゆず山椒」、「エッセンシャルオイル」などの加工品が次々と開発されている。

所在地 養父市
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