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【菖蒲綱引き】(再掲)
 月おくれの端午たんごの節句(6月5日)を中心に行われる菖蒲綱引き。かつては全国的に見られた民俗行事であったが、現在は兵庫県北部、鳥取県、福井県、秋田県などで伝承されるのみとなった。但馬では、「久谷菖蒲綱引き(新温泉町)」「湯村の菖蒲綱引き(新温泉町)」「和田菖蒲綱引き(香美町)」の3カ所。綱引きは村を二分して引きあい、その年の五穀豊穣や村の発展をかけて勝負が行われる。
 「久谷菖蒲綱引き」は古老が唄う「石場き唄」にあわせて、「エイトー、エイトー」のかけ声をかけながら引きあい、7回目の勝負を「納め綱」と呼び、勝負の結果でその年の豊作を占う。年占いに加えて、地区の発展を祈って行われるなど、江戸時代から日本海沿岸に伝わる綱引き行事の形態をよく伝え、1989年(平成元)に国指定無形民俗文化財となっている。
 「湯村の菖蒲綱引き」は、長さ100m以上にも及ぶ大綱を、住民や観光客も加わって上と下に分かれて引きあう壮大さが特徴。
 「和田菖蒲綱引き」は、この地に残る大竜伝説に由来し、この大竜に似せた綱を村人総出で編む。3番勝負で綱を引きあい、村の親睦を深める神事である。

所在地 香美町村岡区和田
文化財指定
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備考 6月第1日曜日