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 但馬は兵庫県北部を指し、3市2町(豊岡とよおか市・養父やぶ市・朝来あさご市・香美かみ町・新温泉しんおんせん町)の地域のことをいう。
 但馬の名のいわれは、はっきりしない。古事記では「多遅麻」と記されているが、「台地間(タチマ)」・「谷間(タニマ)」のように地形に由来する説、「橘(タチバナ)」の意や「虎杖(タヂヒ)間(マ)」(イタドリ草が多く生えている谷間)など植物に由来する説などがある。
 北は日本海、南は兵庫県の播磨及び丹波、東は京都府、西は鳥取県に隣接し、東西・南北方向それぞれ約60kmにわたる。面積は2,133.50平方キロメートルと県全体の約1/4を占め、東京都の総面積に匹敵する広大な地域である。一方、人口は約14万9千人と兵庫県全体の約2.8%にすぎない。(2023年(令和5)12月1日現在)
 但馬は、日本海型気候の特徴を有し、夏は蒸し暑く、冬はシベリアからの北西の季節風の影響を受け、本州南西部としては珍しく、まとまった降雪がある。年間を通じて、雨雪・曇天の日が多く、昔から「弁当忘れても傘忘れるな」といわれている。また、円山川沿いは霧が多く発生する地域でもある。
 但馬の海は、暖流の対馬海流と寒流のリマン海流がぶつかりあう地域。そのため、夏から秋にかけてソラスズメダイのような熱帯・亜熱帯に生息する色鮮やかな魚をみることができる。一方、深場ではズワイガニやゲンゲ類、カレイ類など北海道周辺の種類と同種、または近い種類で構成されているのが特徴である。