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大乗寺(2020協会撮影)

大乗寺(2020協会撮影)

 745年(天平17)、行基ぎょうき自ら「聖観音菩薩立像」を彫刻し祀ったのが始まりとされる。戦乱のため一時衰退したが、江戸時代中期、密蔵みつぞう法印がらんの再建につくし、弟子の密英みつえい上人しょうにんが後を継ぎ伽藍を完成させた。その際、江戸時代の革新的な写実主義の画家、円山応挙まるやまおうきょとその一門の手によって、客殿13室に障壁画が描かれ、別名「応挙寺」と呼ばれる。これは円山応挙が修行中の貧しい頃、当時の住職がその才を見込んで援助したことが縁で、その恩返しとして、一門の弟子とともに描いたものであると伝える。
 「障壁画」は計算しつくされた配置により、立体的な曼荼羅まんだらを構成。さらに絵画が地域、建物、空間、宗教と渾然一体となるように描かれ、寺全体が美術館のようになっている。
 寺の中心に位置する仏間には、「十一面観音立像」が安置されている。檜の寄木造で平安時代末期の作とされ、縦の線を活かしたスマートな印象を与える彫りがなされている。他にも「聖観音立像」など貴重な文化財を多数所蔵する。

所在地 香美町香住区森
文化財指定 国指定重要文化財(絵画)障壁画 (彫刻)木造聖観音立像・木造十一面観音立像・木造観音立像/県指定文化財(彫刻)木造四天王立像・木造薬師如来坐像 (建造物)客殿及び庫裡・山門
問い合わせ 大乗寺 TEL0796-36-0602
関連サイト http://www.daijyoji.or.jp/
備考 ※ガイドあり