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古千本・千本杉の湿生植物群落(NPO法人コウノトリ市民研究所撮影)

古千本・千本杉のバイケイソウ(NPO法人コウノトリ市民研究所撮影)

古生沼の高地性湿原植物群落(NPO法人コウノトリ市民研究所撮影)

古生沼のヤチスゲ(NPO法人コウノトリ市民研究所撮影)

古千本の雪景色(2020ふるさと特派員撮影)

 兵庫県の最高峰氷ノ山ひょうのせん頂上から東側に約120mの場所から東西800m、南北80mにわたって氷ノ山千本杉という天然性の杉(アシウスギ)が群生している。この杉の上側を古千本、下側を千本杉と言う。古千本には湿地があり、氷河時代の生き残りの植物が今も生息している。高木層は杉が優占しており、低木層・草木層は湿地のため、バイケイソウ、エゾリンドウ、マイヅルソウなどの湿生植物が繁殖して、特異な景観をつくりあげている。
 古生沼は氷ノ山の山頂から東へ約120m下った標高1,490mの平地にある。ここが湿原となり北方系のヤチスゲ、ツマトリソウ、トキソウ、アカモノなどの多くの植物を生育させている。特にヤチスゲは日本での分布の西南限にあたる。1965年(昭和40)、県の天然記念物に指定されている。
 近年、古千本・千本杉古生沼ともシカによるふみつけや食害により、著しい被害を受けていたが、防シカネットを張るなどの対策により絶滅を食い止めている。1927年(昭和12)に牧野富太郎博士が調査に訪れている。