カテゴリー: # 伝統芸能 # 民俗芸能 # 祭礼・儀式 # 但馬全域 

 四季の移りかわりを知らせる年中行事。但馬各地には1年を通じて、神や仏を祀る行事が行われている。但馬の年中行事の特徴は、正月とお盆に集中していること。その大部分が悪霊を鎮め、五穀豊穣・家内安全を目的としている。
 また、「大わらじ奉納」「菖蒲しょうぶ綱引き」「火祭り」など、かつては全国的に分布していた古い民俗行事が残されていることは郷土の誇りである。
 春夏秋には各地で神社の祭礼が催される。特に但馬では夏祭りが盛大に行われ、「柳まつり(豊岡市)」「川下かわすそ祭り(新温泉町)」「地蔵祭り(朝来市和田山町)」は、一般的に但馬の三大祭りと呼ばれる。秋は、掛け声に合わせて、山車だし神輿みこしが町内を練り込み、大地の恵みに感謝する秋祭りを至るところで見ることができる。
 また、言われや資料が残っておらず、謎めいた奇祭も保存されている。多くは悪霊を鎮める行事であり、「大わらじ奉納(豊岡市日高町・養父市)」「まいそう祭(養父市大屋町)」などが代表される。
 一方、但馬は民俗芸能の宝庫とも言われる。「ざんざか・ざんざこ踊り」は、各地に似た踊りが残っているが、「ざんざか・ざんざこ」と言う名称の踊りは但馬地域にしか分布していない。
 そのほかにも鳥取県から伝わった「麒麟獅子舞きりんじしまい」を始め、「三番叟さんばんそう」「盆踊り・芸おどり」など、貴重な民俗芸能が大切に保存されている。