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二十世紀梨

 梨は但馬を代表する果樹で、兵庫県全体の65%程度を但馬から出荷している。その半分以上を出荷している香美町香住区に続いて、新温泉町竹田、養父市、豊岡市と広く栽培されている。
 先進地の鳥取県と気候風土が類似していることから、1929年(昭和4)、香住区下浜しものはまに二十世紀梨の苗木を植え、栽培に取り組んだのが兵庫県の二十世紀梨の発祥であるといわれている。
 前面は海、背面は山、耕地が狭い香住区の農家は、急斜面の山を開墾して、山すそを利用した傾斜地での栽培が多い。梨栽培には多くの労力が必要で、主な作業は剪定せんてい、交配、摘果、袋かけ、防虫薬散布、収穫などである。また、冬季の雪害も多く、作業の能率は上がりにくかった。
 その後、生産基盤の安定を目指す経営に取り組むようになり、省力化のため、緩傾斜地での栽培が増えた頃から、「量より質」の栽培が重視されるようになった。以降、試験・指導研究機関と連携をとり、糖度が高く肉質のよい甘味豊かな梨づくりを目標に取り組んでいる。
 戦後は急速に栽培者が増え、面積も出荷量も増加した。しかし、現在は生産者が高齢化し、後継者も少なく、やむなく廃園となっているところが多々みられるようになった。

所在地 豊岡市、養父市、香美町、新温泉町
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