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ふじなしやま
養父市大屋町若杉わかすの犬小路の山奥に、藤無山という山がある。 昔この山の頂上で争いごとがあった。出雲いずもの国を治めている大国主命おおくにぬしのみこと(大黒様)は東の方の但馬の国も治めようと、また、新羅しらぎ(朝鮮)の国から日本に移住してきた天日槍あめのひぼこという神様は自らが定住するところを探して、この藤無山に登ってきた。 どちらも引き下がろうとせず、二神は力ずくでも但馬の国に入ろうとしたが、互いによい知恵を出し、改めてこの山の頂上で決めようと言い、再び藤無山の頂上で会った。いろんな案を出した二神は、藤カズラに石を結び、振り回して石の落ちた方を治めるということになった。二神は藤カズラを探し回っていたがみつからず、かわりのシラクチカズラをみつけ、それに石をつけ投げることにした。 最初に、大国主命が投げ、続いて天日槍も投げ、二神とも但馬の方へ。2回目も両方同じ方向へ。そして3回目で大国主命の投げた石は、出雲の方へ。天日槍の投げた石は但馬の方へ飛んでいった。それを確かめた大国主命は、「ここを境に西の国を治める」と言った。そして、「この山にはいくら探しても藤カズラはみあたらなかった。この山を藤無山と名づけることにしよう」と言い残し帰っていった。 そして、天日槍は但馬の国を目指し歩いていると、自分の投げた石をみつけた。そこには投げた石が3つとも落ちており、それをみた天日槍は、「ここに住みつき、このあたり一帯を治める」と言った。そこが今の出石であったといわれている。
養父市大屋町若杉の犬小路の山奥に、藤無山という山がある。
昔この山の頂上で争いごとがあった。出雲の国を治めている大国主命(大黒様)は東の方の但馬の国も治めようと、また、新羅(朝鮮)の国から日本に移住してきた天日槍という神様は自らが定住するところを探して、この藤無山に登ってきた。
どちらも引き下がろうとせず、二神は力ずくでも但馬の国に入ろうとしたが、互いによい知恵を出し、改めてこの山の頂上で決めようと言い、再び藤無山の頂上で会った。いろんな案を出した二神は、藤カズラに石を結び、振り回して石の落ちた方を治めるということになった。二神は藤カズラを探し回っていたがみつからず、かわりのシラクチカズラをみつけ、それに石をつけ投げることにした。
最初に、大国主命が投げ、続いて天日槍も投げ、二神とも但馬の方へ。2回目も両方同じ方向へ。そして3回目で大国主命の投げた石は、出雲の方へ。天日槍の投げた石は但馬の方へ飛んでいった。それを確かめた大国主命は、「ここを境に西の国を治める」と言った。そして、「この山にはいくら探しても藤カズラはみあたらなかった。この山を藤無山と名づけることにしよう」と言い残し帰っていった。
そして、天日槍は但馬の国を目指し歩いていると、自分の投げた石をみつけた。そこには投げた石が3つとも落ちており、それをみた天日槍は、「ここに住みつき、このあたり一帯を治める」と言った。そこが今の出石であったといわれている。