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 但馬の古代文化は、朝鮮半島の影響を受けて発展してきたと言われている。それは、神社や寺院にも色濃く見られる。例えば、但馬一の宮として知られる出石いずし神社は、新羅しらぎ(現在の朝鮮半島)の王子と言われる天日槍あめのひぼこを祭神としている。
 また、山陰道に属し、出雲いずも文化と大和やまと文化の接点であり、京にも近いことから、多様な仏像・建築物を見ることができる。
 但馬に残る仏像で最も古いとされるのが、温泉寺(豊岡市城崎町)の十一面観音立像と相応峰寺そうおうぶじ(新温泉町)の十一面観音立像。これら平安初期の作品は数が少なく、北但馬においては平安後期の作が多く残されている。また、宝篋印塔ほうきょういんとう・五輪塔・燈籠などの石造物、仏画・古文書も多く保存されている。
 平安時代以降は、城崎温泉に代表される温泉地を中心に、京や大坂から訪れる湯治客によってもたらされた上方文化の特色も強く見られる。
 また、多雨・多雪と言う但馬の気候も、こうした文化財に多大な影響を与えたであろうことは想像に難くない。