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大杉地区まち並み(2018ふるさと特派員撮影)

三階建養蚕農家(2018ふるさと特派員撮影)

 養父市大屋町は古くから養蚕ようさんの盛んな地方で、農業を補う重要な副産業であった。町並みには至るところにその面影をとどめている。
 中でも養蚕のため中3階建になっている住宅は全国的にも珍しく、大杉おおすぎ地区ではその特徴的な建築物が美しい町並みをつくりあげていることから、2001年(平成13)、兵庫県景観形成条例の景観形成地区に指定され、2017年(平成29)には、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。
 大屋根の上に乗った換気のための小屋根や急勾配の桑畑など、農村独特の素朴な佇まいが広がる大杉地区。職住同居で、住居内が生産と生活の場となる3階建の母屋といくつかの倉庫や作業場は、すべてが粗壁といった建物も多い。これらは建築当初の外観のままよく保全されている。
 また、町並みには石垣や石積の水路も残り、豊かな山林と川に加えて、人々の営みと自然とが融合した集落景観をなしている。
 養蚕農家を保存しようと言う動きの中で、古民家が、コミュニティセンター「ふるさと交流の家いろり」や美術館「木彫展示館」、分散ギャラリー「養蚕農家」として再生されている。三和土たたきで仕上げた土間を始め、壁土に砂を混ぜてつくった砂蔵、吹き抜けに横たわった漆黒のはりなど、昔の風合いを至るところに残している。

所在地 養父市大屋町大杉
文化財指定 国選定重要伝統的建造物群保存地区/兵庫県景観条例歴史的景観形成地区
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関連サイト https://www.yabu-kankou.jp/
備考