竹田城跡

　「天空の城」として雲海に浮かぶ姿が全国的に知られる竹田城跡は、南北約400m、東西約100mに及ぶ総石垣つくりの城跡である。山の地形を巧みに利用し、防御面で綿密に計画された縄張りを有する全国屈指の山城で、その勇壮な姿から「虎臥城とらふすじょう」と呼ばれる。映画「天と地と」、「あなたへ」のロケ地に使用されたことでも有名。
　1443年（嘉吉３）に、但馬守護・山名持豊やまなもちとよ（宗全そうぜん）が完成させたといわれる城跡は、主郭を中心に尾根に曲輪と堀切を配置したものと考えられている。山名氏配下の太田垣氏が７代にわたって城主となるが、羽柴秀吉による２度の但馬攻めで竹田城跡は落城。山名氏とともに太田垣氏は没落する。
　秀吉は弟の羽柴秀長を城代として置いた後、桑山重晴くわやましげはる、続いて播磨龍野はりまたつの城主・赤松政秀あかまつまさひでの子、赤松広秀ひろひでが城主となっている。現在に残る豪壮な石垣は、安土城跡あづちじょうあとをはじめとして近江おうみの穴太衆あのうしゅうが築いた多くの城郭石垣に用いられている野面のづら積みという技法で築かれており、天守台を含め、割石が見事にバランスよく配されている。1600年（慶長５）の関ケ原の戦い後、廃城となるが、石垣は築造時の姿で現在も残っている。