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 戦後の但馬は、1950年(昭和25)に豊岡市制が発足。次いで昭和の町村合併で新たに1市18町に再編された。高度経済成長のもと、1965年(昭和40)に但馬初の有料道路(現在は無料開放)「但馬海岸道路」が開通、国道9号・178号の改修工事や、日本最大出力を誇る揚水発電所「奥多々良木おくたたらぎ発電所(朝来市)」の建設も進められた。
 教育では、1963年(昭和38)に「県立但馬たじま文教府ぶんきょうふ」が発足。1967年(昭和42)には「近畿大学豊岡女子短大」が開校した。
 1985年(昭和60)に兵庫県が制定した景観条例により、優れた景観の保全や活用のため「歴史的景観形成地区」として但馬内の各所が指定された。現在は、各市町で景観条例を定めているところが多く、各市町の指定へと切り替わってきている。
 平成に入り1994年(平成6)、「但馬・理想の都の祭典」が但馬で開催され、約1,300万人の観光客が訪れた。また、同年にコウノトリ但馬空港が開港している。
 2000年代に入ると、平成の大合併により但馬地域は現在の3市2町となった。2005年(平成17)コウノトリの放鳥、2006年(平成18)のじぎく兵庫国体の開催、2010年(平成22)山陰海岸ジオパークの世界ジオパークネットワーク加盟、2014年(平成26)養父市の農業特区指定など、大きな出来事が続いた。
 交通では、2017年(平成29)に北近畿豊岡自動車道の八鹿日高道路と山陰近畿自動車道の浜坂道路が開通。その後、2020年(令和2)に北近畿豊岡自動車道の日高豊岡南道路が開通し、現在はその距離をさらに伸ばし、山陰近畿自動車道に接続するべく工事が進められている。
 近年は歴史や文化、町並みが高く評価され、2007年(平成9)に豊岡市出石地区が城下町として、2017年(平成29)に養父市大屋町大杉地区が山村・養蚕集落として国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。
 同2017年、「播但貫く、銀の馬車道 鉱石の道」が日本遺産に認定。翌2018年(平成30)新温泉町諸寄もろよせが北前船の寄港地として日本遺産に追加認定され、2019年(令和元)には「日本海の風が生んだ絶景と秘境」として麒麟獅子舞きりんじしまいなどが認定された。
 また、「人と牛が共生する美方地域の伝統的但馬牛飼育システム」が2019年(平成31)日本農業遺産に、2023年(令和5)世界農業遺産に認定されている。
 2021年(令和3)4月には但馬初の4年制大学であり、芸術文化と観光の2つの視点から地域活性化を学ぶ日本で初めての大学となる「芸術文化観光専門職大学」が開学。2020年(令和2)に始まった豊岡演劇祭が香美町・養父市にまでそのエリアを広げるなど、文化芸術方面で新しい風が吹き始めている。